平成22年の調査では、介護の現場で働く派遣などの非正規社員の割合は66%を超え、その数は毎年増加をしている。子育てなどのさまざまな理由で、比較的時間に融通が効く派遣などの雇用形態を選ぶ方も少なくない。また非正規社員は、資格を持っていなくても働ける職場が多いのも選ばれる理由の一つになっている。

正社員も非正規社員も仕事の内容はほとんど変わらないのに対し、待遇面に大きな違いがある。年々介護を必要とする方が増えており、介護の仕事に従事する職員の重要性が高まっているにも関わらず、介護の現場では多くが派遣やパートで支えられているという現実があるのだ。ただ、派遣から正社員になるのが難しいかどうかは、勤務先の職場によっても違ってくる。高齢者施設と在宅サービスを比べた場合、施設に勤務する非正規社員の割合が少なく、在宅で働く非正規社員の割合が多い傾向にあるようだ。派遣で将来的に正社員を希望する場合、高齢者介護施設を選んだ方が正社員になれる確率が高まるといえるだろう。

職場に正社員登用制度があれば、どんな条件をクリアすれば正社員になれるのかを面接の段階で尋ねると良いだろう。職場によっては、一生懸命に働いていると正社員に採用されることもあるようだ。また人材派遣会社に交渉してもらうのも一つの手だ。ただ、勤めている職場で派遣から正社員になるのがどうしても難しい時は、思い切って職場を変えるという選択肢もあります。